人ごみで1円玉が落ちていても、いまや見向きをする人はいません。
たかが1円、拾ってどうする。

そんな気分なのでしょうか。1円硬貨がよく落ちています。
けれども、1円をバカにすることはできません。

なにかバカにはできないだ、いまどき1円で買えるものなどありはしない。
そういわれそうです。
たかが1円で買えるものなど確かにそうそうないでしょう。

その数少ない例外が1円切手です。
郵便局へ行ってごらんなさい。1円切手をくださいと言えば、売ってくれます。買うことができます。
「1枚ですか?」

と聞き返されるかもしれませんが、そうだと言えば、売ってくれます。
ちゃんと1円でそれなりの買い物ができます。

切手というのは不思議なもので、その価値が表に堂々と印刷されています。
1円切手は1円の価値というわけです。

ところが必ずしも額面どおりに行かないのが切手の不思議なところです。
たとえば、50年前の1円切手なら、その価値は1円以上になっているかもしれません。
普通、古いものは古くなったという理由で価値が下がります。

しかし、古い切手は今は流通していないというので、プレミアがついて1円以上の価値がつきます。

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とくに記念切手、特殊切手となるともともとの値段の十倍、百倍するものがあります。切手のコレクションの世界ではもっと値のあがった切手もあります。

もちろん、額面は1円で今使おうとしたら1円分の働きしかしない。それを使わないでいると10円、100円の価値になる。ここが切手コレクションの面白いところです。これと似たものが、コインやテレホンカード、各種金券類です。
切手のコレクションの価値は、その額面の合計とは一致しません。

めずらしい切手のコレクションなら、額面をはるかに上回る価値がありますし、ありふれた使用済み切手ばかりであれば額面以下ということもありえます。
その表に経済的価値がばっちり印刷されているというのに、未使用使用済み、流通量の多寡、入手困難容易などの別によって、その価値は上下します。そして、その価値を左右するのは収集家の情熱です。同じ額面でもめずらしい切手なら価値がある。めずらしいもの、他人の持っていないものを持ちたいというコレクター気質が価値をつくっていくのです。

そんな切手趣味も少しづつ下火になっていくようです。

郵便よりも電子メールやSNSが主体となり、切手を貼って投函することが減りました。

郵便物の多くは業務用で、そこには切手が貼られていないことが多い。料金後納郵便などといった味気ない印刷か、郵便局の窓口で貼る印刷式の切手スタンプが主流です。

そんな時代だからこそ、かえって希少価値が出るかもしれません。切手を集めるなら、今はねらい目とも言えるでしょう。